巨石
ご神体山(しんたいやま)として人間が文字で歴史を記す前から人々の信仰を集めている「位山」は、両面宿儺(りょうめんすくな)や高天原伝説の舞台の山であり、また代々天皇家へ笏木(しゃくぎ)を献上する材料のイチイが育つ山です。
このような歴史の息吹(いぶき)を感じることができる位山の登山道に足を踏み入れると、私達の五感(ごかん)を揺るがすたくさんの大岩が点在しています。いわゆる「位山巨石群」です。
神々は山に宿るといわれる通り、百の巨石は、それぞれが神話にちなんだ名で呼ばれています。とりわけ山頂付近にしずまっている「天の岩戸」は、飛騨一宮水無神社の奥宮(おくみや)であることもあり、とてもおごそかです。この巨石群は、登山道沿いからも数多く見ることができます。
※両面宿儺(りょうめんすくな):「くらし」の「むかしのくらし」「(2)両面宿儺」に詳しく書かれています。
※高天原伝説(たかまがはらでんせつ):日本神話で、天照大神(あまてらすおおみかみ)という日本で一番偉い神様が支配し、たくさんの神様が住んでいたとされる天上の世界の話。位山がその舞台(ぶたい)だとする伝説。
※五感(ごかん):見ること、聞くこと、さわること、味わうこと、においをかぐことなど、自分の体全部のこと。