はじめに

 はじめに

位山古道地図05.jpg

飛騨一之宮は、この地域に名高い位山の麓に広がり、水・木・道・祈りなどをくらしのより所としながら、豊かに里の歴史を積み重ねてきました。

飛騨の人々の生活に深くかかわる宮川が流れ出すこの地域には、見音が年間14℃前後の清流のみに育つバイガモ(梅花藻)が見られ、この地のシンボルの一つとなっています。[水]

この地域の山々や里のところどころに巨木(大きな木)が残されています。国指定天然記念物の樹齢2000年の「大イチイ」、樹齢1100年の大幢寺の臥流桜などみごとです。[木]

時代ととも日本各地の文化が位山分水嶺の峠を越えて、高山町や北飛騨全体のくらしの礎(もとになるもの)を伝えてきた歴史があります。古くから刈安峠を越えた位山古道、新しく宮峠を越えた国道41号線やJR宮トンネルがあります。[道]

都でも尊いと歌われた位山のふもとであるこの地には、古代より飛騨一宮水無神社がまつられ、飛騨はもとより富山県などの人々の厚い信仰は、今も長くたえることなく続いています。[祈り]

遅い飛騨の春、一之宮の人たちは、桜の里の花がいっぱいに咲くの楽しみにしながら、水に恵まれた米作りや豊かな山林の木々の採りだしの仕事に精を出すなど、長い歴史の時を生きて生きたのです。[くらし]