佐見のくらし of 佐見デジタルアーカイブ

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佐見のくらし

 佐見の基幹産業は林業および農業で、前者では特に東濃ひのきの生産が後者では特に白川茶の生産が有名です。しかしながら近年は林業や農業からサービス業や生産業に転向する人も多く特に専業農家の減少が顕著です。山間部にあり気候が冷涼であるため夏秋トマトなどの生産も始まりましたが専業農家は減りつつあります。

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白川町は,岐阜県の中南部にある加茂郡の東部に位置し,北は下呂市,西は七宗町,南は八百津町・恵那市,東は東白川町・中津川市に接している。町は,東西約24km,南北約21kmで237。89k㎡と 広大な面積を有しており,その約87%を山林が占めているため,豊かな緑が自慢である。標高が,海抜150mから1,223mと高低差が激しく,平野部はわずかで可住地面積は全体の5%程度である。近年,美しい自然を生かした観光が脚光を集めている。また,豊かな山林資源を生かした木材産業が盛んである。
 町の西部に北から流れる飛騨川があり,東から流れる佐見川,白川,黒川,赤川などが合流して南西へと流れている。山間を流れる川は清流を誇り,魚族も豊富であったが,近年における生活環境の変化などによって,その様相は著しく変容してきた。河川を取り巻く環境の変化については,山林の植生の変化にある。山頂から山麓まで可能な限り植林が行われ,人口林率は約57%を占めるに至り,保水能力が低下したことで,激しい増水と極端な渇水を繰り返す状況にある。こうしたことで,水質は以前に比べ,魚族にとって決してすみやすいとはいえなくなっている。
白川町は,西白川村が昭和28年4月1日に,将来の町村合併を展望して,町制を敷き,白川町と称したときからその町名が成立することになる。同年10月1日に「町村合併促進法」が施行され,県の合併試案に示された「加茂東部ブロック6ヵ町村合併の方針」に基づいて,それぞれの町村で協議が重ねられた結果,坂ノ東村を除く4ヵ村は尚早との結論に達し,合併を見送った。このため,坂ノ東村が白川町との合併を決め,昭和29年4月1日に編入された。町村合併促進法の期限切れになる昭和31年に入り,他の4ヵ村のうち東白川村を除く蘇原(そはら)村,黒川村,佐見村の3ヵ村が白川町との合併を決め,同年9月30日大同合併が実現した。町村合併したことにより,新しい白川町役場となった旧白川町役場のほか,旧村役場はそのままの地区の役場の支所として存続している。昭和41年には,増大する行政事務に対応するため,二階建ての役場庁舎に三階部分を増築した。昭和42年には,老朽化の著しい佐見支所を移転し新築した。平成8年には,「佐見地区公民館」を新築し,支所機能を併設。これにより,各地区に支所機能を備えた公民館が完備し,名称もそれぞれ「ふれあいセンター」として発足した。合併後の白川町は,238㎢の広大な面積とその88%が山林という特殊な立地条件にあり,その中で,いかに効率的に機能するかが常に課題であった。機構改革は,昭和36年12月1日~平成14年4月1日までに,14度行われ,行政需要の細分化が急速に進むことに対応してきた。
町では,町村合併45周年を記念して「海山交流事業」として海のある町との交流を模索してきた。交流条件として,以下の項目を挙げている。
 1。きれいな海がること。
 2。農山村との交流を希望していること。
 3。両町村の住民が主体になって,できる限り長期間交流ができること。
 4。海と山だけでなく,文化・スポーツや特産品などの交流が出来ること。
検討の結果,当面は沖縄県宮古島を対象にして選び,調査をすることにし宮古島交流調査団を派遣し,交流を図っている。

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 古い歴史と伝統に支えられ,かつ関係者のたゆまぬ努力によって,「白川茶」の名はゆるぎないものとして全国に知られるようになった。特に町村合併後は,国・県の制度活用などによって,白川町農業の代表的な地位を確実にしてきた。
白川茶は,平成23年度の岐阜県茶総合品評会で上位入賞を果たした,上質な茶である。
 美濃白川茶は,始まりが400年以上昔から栽培されてきたと言われ,川霧が葉を潤し,昼夜の温度差が山間地特有のお茶の特徴を醸し出し,香り高く深みのあるお茶として有名である。
 昭和33年,「新農村建設特別助成事業」により,白川町農協が事業主体となって河岐に製茶工場,佐見の右京の事業主体により,佐見に製茶工場を整備。このほか,無渡・小川・葛北に製茶組合による製茶工場が整備された。茶園造成に不可欠な茶苗の生産にも取り組み,優良品種の挿木30万本を実施し,品種統一を進める。
昭和36年,役場において岐阜県茶品評会が行われ,優良賞など12点が入賞している。その後,近年に至るまで,数多くの受賞と名人の認定がされている。平成12年,2人の男性が手もみ教師に認定され,翌年,手揉み保存会結成20周年記念競技会で,県内初となる女性手もみ教師が認定された。
 生産されるお茶は,決して多くありませんが,小さい産地だからこそ,細かなところまで目が届き,愛着をもって育て,心を込めて収穫することが出来る。
 この地は,害虫が少なく,農薬の散布量は一般の産地に比べて少なく済んでいる。そこで,岐阜県が推進している「ぎふクリーン農業」に登録し,農業の散布量を減らし,有機質肥料を中心に栽培することにより,安心で安全なお茶づくりを進めている。ぎふクリーン農業とは,従来の栽培に比べて化学合成農業,化学肥料をそれぞれ30%以上削減した栽培により生産された農産物に表示できるものである。
 町内には,飛騨美濃特産名人の館「茶・ちゃ・チャ」という施設があり,白川茶の手もみの見学や体験ができ,手もみの技術の講習会や競技会なども行っている。