学習者の目的に応じた多視点映像教材の開発研究

概要

I. はじめに

 最近の情報技術等の進展に伴い,多様な学習者に対応した多方向から撮影した教材化の開発がなされてきた.また,高品位で大容量の記録も安価で可能になり,また大容量記憶装置や高速ネットワークが急速に進み,映像教材も高品位で大容量の配信が可能になった.


図1 多視点映像撮影

 従来の学習教材の撮影方法や記録方法は,単方向からの撮影・記録が主なものであり,撮影方向には教材作成者の撮影意図が多く反映されていた.今後,多様な学習者に対応した映像の教材化を考えると,これまでの単方向を主として撮影・記録されてきたものから,多様な視点で教材を提示することが必要となる.

 ここでは,平成20年より3年間にわたって文部科学省の科学研究費補助金基盤研究(B)(課題研究番号20300278)を受け,学習教材を多方向同時撮影することにより多視点映像として教材化し,多視点映像教材の教育利用について研究したので報告する.

 なお,( )内は最後の参考資料の番号を示した.詳しい説明は該当資料を参考されたい.