学習者の目的に応じた多視点映像教材の開発研究

概要

IV. おわりに

 本学では文部科学省の現代GPの選定を受け,平成16年度から3年計画で,デジタル・アーキビスト養成のためのカリキュラムの開発,及びそれを元にした教育実践を行った.ここでは,今後多くの分野で必要となる文化資料の情報化とその流通のデジタル化技術と併せ,文化活動の基礎としての著作権・プライバシー,文化芸術等の文化情報の内容に関する基礎を理解し,デジタル・アーカイブ化ができる人材の養成を展開している.このデジタル・アーキビストの養成には,実践力が重視される.特に,資料の収集・記録・管理・活用には各メディアの収集・記録の方法として,著作権処理,文化財・文化活動を正しく後世に撮影・デジタル記録として残す技術,情報管理の方法として何をどのように記録するのか,情報カテゴリー,シソーラス等のメタデータなどの計画ができる実践能力が要求される.

 本研究により,デジタル・アーキビスト養成における多視点映像撮影技術等の実践的な研究の基礎資料となるとともに,現職教員における教材開発を通じたデジタル・アーキビスト能力の育成についてのカリキュラムを開発することが可能となる.さらに,教材資料の多視点化を目指した研究として,対象の周囲に多数のHDビデオカメラを配置し,それらによって撮影された多視点映像によって撮影された多視点映像により,多視点映像の教材化の特徴を抽出し,総合化を実現することにより,より活用しやすい多視点教材化技術の開発ができたと考えている.

 本研究にあたって,多視点映像による実演指導,全体については,岐阜女子大学学長の後藤忠彦教授に指導していただいた.また,文化情報研究センター・文化創造学部の職員の方々の大変なご協力に対し,厚く感謝の意を表します.

 最後に,本研究は文部科学省の科学研究費補助金基礎研究(B)(課題研究番号20300278)を受けて進めていることを,感謝をもってここに付記する.