創立 

飛騨産業株式会社の始まりは、大正9年(1920)3月のこと。高山町上三之町の大野屋味噌店にやってきた二人の客が、ブナで椅子を作る話をしていたところから始まります。
当時の高山は四方をブナの原生林で囲まれていましたが、主要な産業が生糸の生産業であったことから、大量のブナは放置され、役に立たないものだと見なされていました。しかし、大野屋味噌店の主人である武田萬蔵はかねてよりブナの用途を考えていたため、その二人の話に大いに興味を持ち、「詳しく話してほしい」と中へ招きました。
二人は、曲げ木の技術を利用し、ブナで西洋の家具を作るという話をしました。この話は、無用の長物となっているブナの原生林を活用し、尚且つ高山の新しい産業になるかもしれないという魅力的な話でした。そこで、高山町の木工職人や有力者達が資金を出し合い、家具作りの会社を設立することになったのです。

こうして、二人によって伝えられた曲げ木家具の技術と、「飛騨の匠」の伝統技術を併せた西洋家具メーカー「中央木工株式会社」が誕生しました。それが今の飛騨産業株式会社です。




年表

大正9年  中央木工株式会社として創業
大正12年 飛彈木工株式会社に改組
大正15年 宮内省御用命の会社に
昭和13年 社員の教育の場として、飛彈木工青年学校開校
昭和19年 木製飛行機製造を目指す軍需工場として、高山航空工業株式会社に改組
昭和20年 太平洋戦争終結
     飛騨産業株式会社に改名
昭和24年 アメリカ向けの輸出を再開