挽物の工程を説明します。
①下準備
挽物の素材となる木は、樹齢150年から200年以上のものが選ばれます。板や角材を積み上げる、野積みと呼ばれる方法で自然乾燥を行います。
一年以上天然乾燥させた木材を、帯鋸で丸く切り取ります。木材に無駄が出ないよう切る必要があります。
乾燥の日数は材料によって違うため、この作業には長年の勘が大切になります。
②粗挽き
木材が中まで乾燥するように、余分な部分を粗挽きします。
③燻製乾燥
乾燥の際に材料が割れたり狂いができたりしないように、木口と木口を重ねて、一枚一枚に煙が回るよう、隙間を開けて積み上げます。この作業には一週間から12日間、ものによっては一か月ほど費やします。
④乾燥戻し
燻煙乾燥から取り出し、約一か月ほどかけて自然の気温で元に戻します。
この際に、狂い、割れ、虫食い、青色などの不良材を除く作業もします。
⑤外側仕上げ、内側仕上げ
轆轤機に材料を取り付け、回転させながら刃物で削ります。仕上げ粗削り、中仕上げ、薄刃仕上げ、と三種類の作業工程があります。
⑥仕上げ磨き
紙ヤスリで磨きます。磨きの種類にも、粗磨き、中磨き、仕上げ磨きの三種類があります。
紙ヤスリがなかった時代は研草が使われていたと伝わっています。